魅惑の外人コスプレ
2007 / 09 / 21 ( Fri ) ![]() ネット上の外人さんのコスプレ写真を集めてみました。 一部は「Crazy Zelda」なんて扱いを受けていたり…。 ※写真をクリックすると別画面で拡大表示します。 |
未解明の体験談/目次
2007 / 09 / 16 ( Sun ) ![]() 知り合いの「見えないものが見える人」から寄せて頂いた体験談です。 見えない世界や幽霊と呼ばれるもののことが少しわかるかもしれません。ぜひご覧ください。 [目次] ・第一話「修学旅行の怪」 ・第二話「テーブルの上にある首」 ・第三話「手招きするモノ」 ・第四話「トイレットホルダーの怪」 ・第五話「解放されたモノ」 ・第六話「行ったり来たりするモノ」 ・第七話「のぞきみるモノ」 ・第八話「すれているモノ」 ・第九話「おとないさん」 ・第十話「小さな隙間に潜むもの」 ・第十一話「ひびの話」 ・第十二話「部活動の帰りにて」 ・第十三話「樹海の中にて」 ・第十四話「人がものをなくすとき」 ・第十五話「夜道のびっくりものたち」 番外編 ・番外編1「広島」 ・番外編2「TV番組からも拒否されたお話」 ・番外編3「見える一族」 |
未解明の体験談/番外編3「見える一族」
2007 / 09 / 16 ( Sun ) 母方の親戚に、いわゆる「見える一族」がおります。この方々は「見える」なんて一般的(?)な能力に留まらず、予知能力やら千里眼など特殊能力のちょっとした展示会が開けそうなレベルです。
この方々の中で現役最強(笑)を誇り、一族からの信頼も一際厚い方がいらっしゃるようで、話によると一族の方々は皆さんお亡くなりになると、必ずその最強の方の枕元にご挨拶に伺ってから旅立たれるそうです。中には自分がこれから行く天国を見せてくれたなんて人もいるそうです。 以前、そんな一族のとあるお婆さんがお亡くなりになったときもやはり枕元に現れました。実はこのお婆さんとは直前に喧嘩別れをしていたそうですが、それでも来てくれたわけです。 で、お婆さんは無言で懐から何かを取り出すのです。この最強のお方がまだ幼い頃は、このお婆さんがよくお小遣いをくれていたそうで、ああ、最後に何かくれるんだなと見ていたそうです。 が、お婆さんが懐から取り出したのは鼻紙で、それで自分の鼻をかんでからクシャクシャに丸めてこのお方に投げつけて旅立って行かれました。 よっぽど直前の喧嘩が腹に据えかねていたんですね。 (マイミクからの投稿) |
未解明の体験談/番外編2「TV番組からも拒否されたお話」
2007 / 09 / 16 ( Sun ) とある東北地方の大学。そこへ行く道中を何気なく車の助手席からビデオカメラで撮影していた。
その道の途中には、実は「自殺の名所」として知られている橋があるという。 自殺者が後を絶えないため、自殺者が出る度に防止用のフェンスを高くし、ついには内側にフェンスを曲げることにしたが、その工事中にも自殺志願者が現れ、それを押し止めようとした際に下を見たら先客がいたという逸話があるほどだ。 当然、カメラはその橋も撮影していた。 大学に着いてから、早速ビデオを再生した。すると、問題の橋のところで、この世のものとは思えない光景が映し出された。 これはスクープだとビデオを某奇跡番組に送ったが、事前に御祓いをして霊的な影響が出なくなったものを放送していると言う同番組は「これは危険過ぎて取り扱えない」と送り返されてしまった。 そこに映っていたもの・・・それは、橋の左右の欄干の上にズラリと並んだ無数の生首が川の方を無言で見つめているというショッキングなものであった。 しかも、後日再びそのビデオを再生すると、生首数が明らかに増えているのだと言う。 そのビデオが、その後どうなったかは知らない。 (マイミクからの投稿) |
未解明の体験談/番外編1「広島」
2007 / 09 / 16 ( Sun ) 夏のとある日。家の庭をふと見ると、二人の人影のようなものがぼんやりと佇んでこっちを見ている。2人の関係は親子の様な感じ。
その実体の無い存在感は「影」としか表現できなかった。 次の瞬間、その影は忽然と姿を消した。 突然サイレンが鳴る。気になって背後の時計を見た。 8時15分。その日は8月6日。そこは広島県。 (マイミクからの投稿) |
未解明の体験談/第十五話「夜道のびっくりものたち」
2007 / 09 / 14 ( Fri ) 第十五話「夜道のびっくりものたち」
時々仕事の都合で家に帰るのが遅くなることがある。 その家路に着くまでに体験した出来事を今回のお話としよう。 その現象は季節などの関係もなく起こった。 ただ一つの共通点は夜であったこと。 それは仕事の帰りに起きた。 辺りはもうすでに暗くなり、街灯に照らされて明るくなっている場所と照らされずに影になっている場所が明確に分かれていた。そんな都会の夜道を自転車のライトを点けて、家路に着く途中のことだった。 前触れは空気の震えを感じたときからだった。空気が振動して起きるヴヴヴというような音が聞こえ始めてからだった。聞きようによっては、何かが唸っているようにも取れる音。唇を震わせて出るような速くて定期的な振動音ではなかった。どちらかというと、不定期でゆっくりとしたヴ、ヴ、ヴ、というような音だった。 そして、その音は、私が自転車をこいで進めば進むほど、大きくはっきりと聞こえてくるのだった。それでも私は気のせいだと思って、音がはっきりと聞こえる方に進んでいった。まあ、家路に近づけば近づくほどに音は大きくなっていったのだから、仕方ないことと言えば仕方ないことだった。 そして、あるとき、その音はピークに達した。どこがピークなのかはわからないが、少なくともそう思える音が聞こえたのだ。それは完全に人のうめき声だった。 これはちょっとまずいかなという思いが心をよぎった瞬間、目の前に人影が飛び出してきた。急いでハンドルを切ってブレーキをかけたが、不意の出来事だったため間に合わず、そのまま人影にぶつかってしまった。 しかし、その時に起きるはずの衝撃は一切なかった。てっきり目の錯覚だったのかと、後ろを振り返ると、そこには、いた。人影、いわゆる人のシルエットをしたもの。 せいぜい、目と鼻と耳と口がどこについているのかがわかる程度の何かが倒れ、そして起き上がってきた。その影のようなものが口のような所から先ほどから聞こえていたうめき声を出しながらゆらゆらとこちらに近づいてくるのが見えた。 ゾンビなんでしょうかねえって思いながら、急いで自転車をこいで、その場を離れた。後ろからはうめき声が聞こえていたが、徐々に小さくなっていった。後ろからの声は完全に消えてしまったが、安心はしていなかった。何故なら、前からも、その声は聞こえてきたからだ。 前方をしっかりと見据えて集中してぼやけたものが見えたら回避ということを繰り返して、端から見ればふらふら蛇行運転を続けて、ようやく家路に着いた。 自転車を下りて、家の玄関に向かい、玄関を見てから足を止めた。玄関で待っていたのだ。玄関に座り込み、うつむいたままの格好で、その人影はうめいていた。 私が見ていることに気がついたのか、顔を上げて見上げてきた。 私には躊躇している時間はないと、判断した。何故なら後ろからもまだまだ来ているからだ。すぐにその玄関の影を踏みつぶして、家に入った。 影は踏みつぶされたことに気がつかなかったのか、さっきと同じ姿勢で座り込んでいた。ただ違っていたのが、首を180度後ろに向けて、私のことを見ていた。 私は扉を閉めて、しっかりと鍵をかけた。そのまま、階段を駆け上がり、3階の窓から、そっと下を覗いた。 すると、そこには、やっぱりいたのだった。たくさんの影が家を囲むように密集していた。その無数の影達はしばらくの間、家の周りでうめき声をあげていた。 当然のことではあるが、朝になると、その影達は消えていた。その影が何者であったのかは、直接本人達と話していたわけではないので、知る由もなかった。 少なくとも、その晩からは、家に帰るのが遅くなるたびに毎夜見るようになった。 ここで、私の話はおしまいである。だから、ここからはワンポイントアドバイス。 もしも、闇の中に何かを見つけても、恐れてはいけない。多くの何者かはあなたの恐怖を感じ取り、より大きな存在になって見えてくる。だから、気を強く持つことが大切だ。無視する勇気も必要になってくる。 それと武器のイメージも有効だ。私の場合は、私自身を抜き身の刀に置き換えてイメージする。一本の刀となり、相手が近づいてきたら斬る。別に刀でも銃でも包丁でも何でも良い。要は自分が強いと思うイメージである。それが、そういう連中に負けないコツだ。 まあ、今回のお話が私の体験した中で、最も新しい体験である。これ以降でまた何か楽しい体験をしたら、その時にお話しよう。 しばらくは、この15話を以て完結とする。 とりあえず、待っている人はいないだろうが、決まり文句で、 しばらく来ない次回をお楽しみに・・・・ 眠り猫 wrote. |
未解明の体験談/第十四話「人がものをなくすとき」
2007 / 09 / 14 ( Fri ) 第十四話「人がものをなくすとき」
あなたは、ものをなくしたことはないだろうか。 一体何を言っているのかと、思うだろう。ものをなくしたことのない人なんているわけないだろうって。 まあ、そういう反応を示すのが普通だろう。 ものがなくなるとき、原因は必ずどこかにあるはずだ。本人がしまった場所を忘れてしまったためになくなること、他の者が隠すなりしてなくなること、本人が意識して使い込んでなくなること、それと、もう一つ、何の前触れもなく、忽然となくなること。そういった原因があるはずだ。そして、今回は、この忽然と消えることについてお話しよう。それ以外は、特に怪奇現象でもないので、この場で語る必要もないと思われる。 ものが忽然と姿を消すとき、それはいついかなるときでも起きる可能性を秘めている。 人が集中して何かに没頭しているとき、激しく動き回り活動しているとき、ぼーっとしているとき、どんなときであっても、それは起こる。しかも、それが原因でなくなったものは、必ずといっていいほどそのうち発見される。そして、発見される場所は、これも必ずと言っていいほど、不可解な場所から発見される。 例としては、毎日使う目覚まし時計がトイレの奥から発見されることもあった。台所の包丁が風呂桶から発見されることもあった。本を読み終わり、その本を机の上に置いておくと、いつのまにか部屋の隅に移動していることもあった。これらの現象は一体何が起こしているのか、今もって謎のままである。 まあ、敢えて仮説を立てるなら、空間に歪みが出来て、それに飲み込まれて別の場所に吐き出されたということも考えられる。 もしくは、某漫画のネタでは、そういうことは妖精の仕業だそうだ。その妖精は醜悪な顔で、人間に気付かれると襲いかかってくるというものだった。だから、そういうものを見てはいけないらしい。でも、妖精のやったことであったら妖精の姿を見ていても良いはずだ。なのに、未だに妖精など見たこともない。幽霊の類なら腐るほど見ているにも関わらずだ。よって、私的には妖精説はあり得ないと判断している。 それで、私は空間に突如出来た歪みであると思う。 そう私が思うのには訳がある。それは、それに近いものを見たことがあるからだ。 合わせ鏡という言葉を知っているだろうか。私は、それを一時期、毎日実行していた。 ただ合わせ鏡の間に私が収まっているのは気分が悪かったので、代わりに30センチの定規を置いて実験していた。そして、実行開始から数日経ったある朝のことだった。いつものように変わらず、鏡の間に定規はあった。今日も何も起きないかと思って見ていたときのことだった。一瞬、定規が陽炎のようにぼやけて見えたかと思うと、次の瞬間にはなくなっていた。 思わず目を疑い、幻かと思い、鏡の間に手を持って行って探ってみても定規はなかった。別に大切にしている定規というわけではなかったがこのまま放置しておく気にもなれなかったので、必死に探し回った。 すると、これも突然の現象ではあったが、私の後ろで何かが落下して床にカタカタと落ちる音がした。後ろを見ると、そこにあったのは、バラバラに切り刻まれた定規だった。切り口が非常に滑らかだった。人為的な力でこのように切ることが可能なのだろうか。仮に出来るとしても、わざわざ定規を切るのに、ここまでのことをするだろうか。 色んなことを考えてはみたが結論は出なかった。 もちろん、その後は合わせ鏡の実験を益々積極的に行ったが、何も起きることはなかった。他の定規を自分の力で壊してみたり、カッターで切ってみたりしたが、同じように切断することは出来なかった。 だから、あれは怪奇きわまる現象だったのだということで納得することにした。 合わせ鏡もやることがなくなった頃、あれは暑くもなく、寒くもない夜のことだった。夜中、何となく目が覚めてしまって、目をうっすらと開けると、目の前に床に置いておいた雑誌があった。 そのとき、雑誌の端の方がゆらゆらとして見えた。何となくぼやけて見えた。もちろん寝ぼけ眼だったのだろうと、言われれば否定のしようはない。しかし、次に見たものは、そんな言い訳など通じるはずもないものだった。そのゆらゆらして見える部分から、少しずつ消失していったのだ。まるで何かに少しずつ食べられていくかのように、無くなっていくのだ。 その雑誌は数十秒で完全に消えてしまった。文字通り消滅してしまったのだ。 そこまで見ていたら、完全に目が冴えてしまっていた。これは一体どういうことなのか。それから眠りに就くことも出来ずに朝を迎えた。 朝になると、その雑誌がなくなっていることに家族は気付くことになった。そして、私がその雑誌を勝手に処分したっていうことにされて、買いに行かされた。消えてしまったと言っても、誰も信じてくれなかった。逆に私が、そんなことを誰かに言われても、完全に信じることは出来なかっただろう。だから、これは仕方ないことだなあって思って諦めた。 まあ、ものがなくなるというのは、そういうことも起因しているのではないだろうかっていう、それだけの話。 眠り猫 wrote. |
未解明の体験談/第十三話「樹海の中にて」
2007 / 09 / 14 ( Fri ) 第十三話「樹海の中にて」
小学校の頃、遠足か何かで樹海の中を抜けて華厳の滝に向かうというものがあった。まあ、樹海の中とは言っても、きちんと舗装されている遊歩道ではあったが。 その樹海の中を歩いている最中、樹海の中で動く何かがいることに気が付いていた。別にそのときは、周りを歩いている友人や先生にも見えているのだろうと思って気にしていなかった。特に気にしていなかった理由は、樹海の中で動いていたのが人であったからだ。きっと私たちと同じように樹海の中を歩いていて、案内の人がいるから森の方にも入っていっているのだろうなと思っていた。 ふと、そっちの土の所も歩きたいと思って舗装から外れた所を歩こうとして、先生に呼び止められた。ここの舗装された道以外歩いてはいけないって書いてあること、入ったら最後出ることは出来ないと立て札にも警告されていることを言われた。 しかし、現に今も樹海の中を楽しそうに大人と子供たちが楽しそうに走り回っているのが見える。どうにも不公平な気がして、立て札無視して森の中で遊んでいる人たちが、そこにいるのはいいんですかって言ってその走り回っている場所を私は指さした。すると、先生はためいきをついてそこに何がいるんですか。何にもいないじゃないですか。変なことを言って からかってはいけませんよと言われた。 私には、逆にからかわれているような気もした。何故なら、そこに確かに人がいるのに、いないって言うからだ。 次に私が取った行動は、先生にはこれ以上話しても無駄だと思って、近くにいた友人に片っ端から聞いて回った。そこに人がいっぱいいるよねって。 だけど、全ての友人の答えは、一つだった。そんなもの、どこにも見えないよ。私には見えていて、他の人には見えてない人たち。その人たちは、先ほどよりも私の方に近づいているようにはっきりと見え始めた。 私は、ようやく、これが普段見ている問題のある住人系であることがわかり、すぐに樹海から目を背け一心不乱になって、目的地を目指して必死に歩いた。何故なら、目を背ける頃には私のすぐ近く、横やら後ろにはりついていたからだ。 その後は何事もなく、無事に華厳の滝まで辿り着いた。華厳の滝に着くと、その不思議な人たちは消えていた。きっと樹海から出ることが出来ないのだろう。 自殺者が多いことで有名な華厳の滝での集合写真では、特に何も写ることもなかった。 そのまま家路に着き、それから不幸が起きたこともない。 ただ今になって思い返すと、あの時の人たちは大人と子供に見えたけれど、単に背の高いか低いかっていうだけで、それがたくさんたくさん歩いていただけではなかったのだろうか。 そんな気がする、それだけの話。 眠り猫 wrote. |
未解明の体験談/第十二話「部活動の帰りにて」
2007 / 09 / 14 ( Fri ) 第十二話「部活動の帰りにて」
あなたは部活動・クラブ活動などで、夕方や夜遅くまで校舎に残っていたことはないだろうか。そんなときに背筋が寒くなる経験をしたことはないだろうか。今回は、そういった状況でたまたま起きた、本人にとっては怖くて、周りからは笑われた話をしよう。 あれは、私が中学校の部活動で部の仲間と共に文化祭に向けて作品を作っていた時のことだ。みんなで他愛のない話をしながら、のんびりと作品を作っているとき、途中でトイレに行きたくなった。しかし、場の雰囲気が壊れることと笑われるのも、癪だったため、我慢していた。 時間はじりじりと過ぎていき、部活の時間も終わりを告げた。みんなは荷物をまとめて帰る支度を始めた。私は必死になって荷物をまとめて、「先に校門の方で待ってるね〜」などと言って部室を出た。もちろん、目指す先は、校門ではなく、トイレだった。 トイレに着くと既に生徒もほとんど帰ってしまっていたので、無人だった。電気はきちんと点いていて、その日に誰も使っていないのではないかってぐらいに綺麗だった。 きれいではあったが、寒々としていた。急いで用を済ませた。すると、私のいる所に遠くの方から人の話し声が聞こえてきた。みんなの話し声が聞こえてきたので、先に出た私が後から追いついてきたら変に思うだろうということで、急いで、トイレを出た。 すると、トイレから出ると、先ほどまで聞こえていた音はピタっと止んで辺りは静寂に包まれた。それは、みんなが階段を下りてしまったからだと思い、早足で歩いて先回りしようと歩き始めた。誰もいない廊下は上履きの音をよく響かせて、パタパタパタパタという音をさせた。 しかし、そこで私は奇妙な違和感を覚えてしまったのだ。そんなもの感じなければなんてこともなかっただろうに、気付いてしまったことが腹立たしかった。 その違和感とは、勘の良い人ならぴんと来るはずだ。私以外の足音が聞こえたのだ。後ろから私の足音に合わせて、他の足音が聞こえてきたのだ。試しに気のせいかと思い、一歩足を踏み出し、パタという音に続いてパタと聞こえるのだ。 何かが私の後ろにいると思った。背中はぞくぞくと寒くなり、実際に気温も低かったかもしれない。とにかく、あんまり良くないなあって思いながらも、好奇心から後ろをそうっと振り返った。すると、そこにあったのは、誰もいない廊下だった。 唯一違和感を覚えたのは、遠くの方に誰かの上履きが一揃い並んでいたことだ。遠くの方であったため、上履きであったかは定かではないが靴のようなものだったのは間違いない。何となく、あれが私を追いかけてきているのだろうなあというのはわかった。これはいけないなってことで、迷わず玄関に続く階段の方に必死になって走った。 すると、さっきにも増して、音は激しく響き渡る。私が歩調を緩めても、後ろの音は激しさを減らなかった。 ここまで走ってから、後ろを振り返るほど私の肝は大きくなかった。 仕方なく、私の取った行動は音のかき消しであった。いわゆるタップダンスのようなものだ。要は私の足音以外が聞こえてくるのが嫌であるのだから、常に私の足音で占有してしまえばいいはずだということにして、足を軽快なリズムで叩いて、私以外の音を打ち消して歩いていった。 今になって考えると、よくその程度のことでどうにかしようと思ったものだと呆れている。とにかく、そのときはそれで解決して、その後は何事もなく無事に校門まで辿り着いた。 唯一困ったことは、既に校門で私のことを待っていた友人に、そのタップダンスのような奇妙な歩き方を見られてしまったことだ。何不思議な歩き方しているの、とか言われたような気もしたが、それは適当に誤魔化した。 その後も部活の帰りが遅くなると、何度か同じような音を聞くこともあったが、後ろを見ないようにして、足音を立てないように歩くなどの措置をして対処していた。今でも、あの学校にはそれが出るのかは、わからない。 そして何より、足音の正体も今もって謎のままである。 眠り猫 wrote. |
未解明の体験談/第十一話「ひびの話」
2007 / 09 / 14 ( Fri ) 第十一話「ひびの話」
みなさんは、ひびというものを見かけたことがあるだろうか。古いビルなどに時々見られる、あのひびである。それが元でビルが崩壊することもあるだろうが、別にそういうことが怪奇であるわけではない。まあ、ひびがあろうがなかろうが、特に怖いものでもないだろう。実際、ひびなどは発見してから、その場から離れるなり、避難すれば済む話なのだ。だから、怖い物でも何でもない。 これだけでは、一体、何の話をしているのか、さっぱりわからないだろうから、これから話すことを見てから、もう一度わからないことは検討してもらいたい。 そう、これは私が導き出した一つの概念である。幽霊やらUFOなどの超常現象、それらをまとめた概念の一つである。 ひびというものは、通常出来ていれば、その場所を覗くことで、ある程度中身が見えてしまうものだ。場合によっては、少しだけしか見えないものもあるだろう。例えば、ガラスにひびが入っていたとする。そうすると、そのひび割れた部分を通して景色を見ると、普段と違う風景に見えてくるはずだ。そこにひびが存在していなければ、わからなかった風景が広がる。 だから、それが何なのだと思うかもしれないが、これがガラスではなく、世界にひびが入っていたらどうなのだろう。 ひびでも、亀裂でも言葉は何でも良い。要は私たちが普通に生活している空間の一部に亀裂が入って、その亀裂が見えてしまったら、どうだろうか。 亀裂、それ自体には何の悪意もない。何の問題も抱えてはいない。いずれ時が流れれば、自然に修復されるものだ。空間の亀裂というものは。 この世界は常にこの世界のままであるように創られている。常識だとか、法則だとか、そういうものだ。仮に他の世界が存在しているとしても、その他の世界も独自の常識、法則に基づいて存在しているはずだ。それらは本来交わるわけもない。交わっていたら、破滅してしまっているかもしれない。 それが何らかのきっかけでひびが出来て、つながらないと、断定できるだろうか。もしも、何もない空間から突如として、何かの腕とかが出現したらどう思うだろうか。 そんなものが見えたら多くの人は幽霊とか言うはずだ。 しかし、だ。空間にひびが見える人がいて、何となく、腕をその中に入れてみたら、そう見えることだってあるだろう。 ひびの向こう側では。まだ、顔が空間から出てくる所は見たことはないが、相手も顔を出す勇気はないのかもしれない。実際、私はひびを見かけても覗くことはあっても、顔を入れてみることはないのだから。 では、具体的に、どういう風にひびは見えるものなのか。 それは、その時々で違ってくるので、まとめて言うことは出来ないが、多くの場合、ぼやけて見えることが多い。何だか、その部分に蜃気楼がかかったように歪んで見えるのだ。その歪んだ景色が何だかよく見えないのだ。 もちろん、それはどこにでも現れる。トイレでも自分の部屋でも、外でも、車を運転している最中でも。近くで何とも言えない違和感を感じた時にも出来ていることもある。その場合は、前後左右、上下に至る全ての部分をくまなく見ることで発見出来る場合もある。 見えるか見えないかは、UFOや幽霊と同様に個人差がある。これが見えなかったからといって問題があるわけではない。問題があったら、今頃問題だらけである。ただ、見えると普段よりも得した感じになることはある。 このひびが見えることがあるのは、その部分に欠陥がある場合に生じているものだ。つまり、この空間のひびが見えることで、何らかの危険を回避出来る場合もあるのだ。幸運のひびを見たことがなく、不幸のひびしか見えてこなかった為に、そういう風に思うようになった。 ひびの見えた床の上を歩くとどんなに慎重に歩いても、何故だかバランスを崩してしまうのだ。 これが自分だけに見えて、自分だけが不都合が生じているのなら、一種の自己催眠の結果、発生していることだとも言えるだろう。だが、ここで違うのは、ひびの被害に遭遇するのは、私ではなく、他の人であることが多いのだ。 ひびの見えた床を見えた上で、そこを踏んでいくのは愚か者だ。だから、私は見えた場合は、何が何でも避けていく。でも、多くの人は、そんなひびなど見えていないようで平然とその上を踏んでいくので、転んだり、バランスを崩したりするのを見た。階段で見かけるときは、転ぶ所を見たことはないが、ひざから力が抜けたようにがくっとなることなら見かけた。 空中に浮かんでいるひびでは、何かが飛んでくることが多い。蜂とか、石とか、ボールなどだ。そのひびの近くにいると、被害を受けてしまう。 つまり、ひびっていうのは、その世界の欠陥部分を表している。その部分が壊れているから、近づくなという警告でもあるのだ。 この話だけでは、幽霊やUFOと何の関係もないように思うが、そのひびの部分では、良くないことが起きやすい。法則性がないことが起きやすいということなのだ。一種の境界線になっているとも取れる。そのひびのサイズが、とてつもなく大きかったら、どうなるだろう。人と同じぐらい、建造物と同じぐらい。そんな場所に私が遭遇すれば、何かが見えることだろう。空中に巨大なひびがあったら、UFOも見えるかもしれない。 見えないだけでひびは、身近に存在している。それらがすっぽりと誰かを覆い尽くしたら、その人は見えなくなってしまう。そして、そのまま消えてしまうのか。 そのひびから垣間見えるものたちを人々はUFOやら幽霊と呼んでいるのだと私は思う。 ここまで私も話したが、正直、どういうことなのか、私にもわかっていない。 ただ一つだけ言えるのは、ひびが見えたら近づくな。離れてしまうことだ。不吉な違和感も、同じように言える。そう、それだけのことだ。 眠り猫 wrote. |
未解明の体験談/第十話「小さな隙間に潜むもの」
2007 / 09 / 14 ( Fri ) 第十話「小さな隙間に潜むもの」
以前に、おとないさんという話をしたと思うが、今回はそれと似ていて、より迷惑なタイプのものについて話そう。 まず、初めに知っておいてもらいたいのが、人も植物も動物も地球も、全ての物が元素と元素の集合体で成り立っていること。どんなものであれ、結合して出来ている。そのため、結合というものには、必ず隙間というものが、どうしても存在してしまうものだ。 今回のお話は、そういったものの話というわけだ。 おとないさんの中には、そういった小さな隙間にも入ることが出来るタイプも存在している。そういった物は、それこそ、元素結合の間にも侵入出来ると思われるので、まぶたの裏にも容易に侵入してくる。つまり、このタイプに遭遇すると、目をつぶろうが見えるため、眠りに就くことも困難になってくる。目をつぶると、本来見えるはずのない物が見えてしまい、なかなか眠りに集中出来なくなる。 それらがどういう形状で現れるかというと、主に全身像では出現しない。目であるとか、頭であるとか、顔であるということが多い。もし、これらに遭遇した場合に有効な手段というものは、気にしないことぐらいだ。別のことを考えているのも良いだろう。もしくは、目を手で押さえつけるなどをして、安心感を持つとか、目を閉じたり開いたりを繰り返して、現実の映像をまぶたの裏にまで焼き付けて、見えなくしてしまうのも良い。 まあ、見えているというのは、それがそこに存在しているかしていないかは抜きにして考えると、そういった画像が脳から目に送られているだけのことなので、その送られてきている情報よりも強い情報を送れれば、他の画像に切り替えることも理論的には、可能なはずだ。だから、そうした方法も対処法の一つだ。 これらの厄介な点は、まぶたの裏に侵入してくることだ。それの意味する所は、仮にそれらが存在しているのなら、少なくともまぶたの裏にだけ存在していると考えるのは、非常に浅はかなことだろう。それこそ、自分の全身にはびこっていることだって考えられる。見えるか見えないかの違いがあるだけのことであって。そのおとないさんのせいであるとばかりは言えないが、時折体にも自覚症状が現れる場合もある。体が圧迫された感じになり、腕や足が思うように動かなくなる。首の場合は、絞められているような苦しさを感じる。胸や腹の場合はズシっと何かが重いものにのしかかられているような感じになる。 そうした場合には、自身の体をイメージしてみることだ。それで、自身の体には異物などあるわけもない。入ってこられない。自身の体は正常だ、ということを視覚的にイメージすることだ。そう出来れば、思いの外、体が楽になる。金縛りにも有効かもしれない。 まあ、今回の話は、体験談というか、講義じみてしまったが、あまりにも多くの同じような事象に遭遇していると、一つ一つの印象が薄れてしまい、印象的な表現を思いつくような体験にならないだけの話だ。 せいぜい、今回の出てきたものは顔がいまいちとか、驚かせるなら、もうちょっと芸を工夫して欲しいとか、そういう感想しか持てないものばかりなので、今回の話はこれで終了である。 眠り猫 wrote. |
未解明の体験談/第九話「おとないさん」
2007 / 09 / 14 ( Fri ) 第九話「おとないさん」
あなたは、おとないさんという言葉を聞いたことはないだろうか。 どういう字を書くのかは、私は知らないのだが、要は隙間から見えるものらしい。そういったものを総称して、おとないさんというらしいのだ。 密閉された空間は自分だけのものだが、一度でも隙間が出来れば、隙間の向こうは隣になることから、お隣さんという言葉がなまっていくうちにそういう言葉が出来たのか、それとも、音もなく、いつの間にか傍にいるから、音無いさんってことなのだろうか。いずれにしろ、そういったものに遭遇しない方が良いに決まっている。 過去に放送されていた「世にも奇妙な〜」でそういったテーマを取り上げていたような気もするが、記憶が曖昧な為、その番組ではなかったかもしれないが、内容だけは微妙に覚えている。 確か、1センチの隙間に人が存在していて、そこの人を見てしまってから狂っていくある人の話って感じだったと思う。もちろん、ギャグ系のノリではなく、完全にホラー系であったため、その当時は怖くて最後まで見ることは出来なかった。 何故なら、それを見ている時もおとないさんは私のすぐ近くのドアから、じっとこちらを覗いていたからだ。 当然、その番組をすぐに消して、ドアをしっかりと閉めて、しばらくはドアが再び開かないかどうか警戒しながら、ドアをじっと見ていたものだ。 まあ、私のおとないさんに対しての対処法は至って単純明快なものである。隙間を作らない。隙間があったら、どんなことをしても塞ぐ。パテなんかを利用するのも一つの手だ。横開きの戸は、つくりが悪いと、どうしても隙間が出来てしまったりする。その場合はスポンジか何かを戸に貼り付ければ、戸だけでは作ってしまう隙間を完全に塞いでくれる。 それにおとないさんの性質を知っていれば、そんなに気にする必要もない。 おとないさんは、その性質上、隙間に存在していることは話したと思う。だから、隙間をなくすのも良いが、逆に隙間ではなく、空間にしてしまえば、出てくることもないのだ。 要は戸が閉まらなければ開けてしまえばいい。彼らか、彼女らは、全く通れない場所にはいないが、誰もが通れる場所にもいないのだ。 まあ、身近な例で言えばゴキブリみたいな存在ってことだ。だから、あり得ないことだとは思うが、ゴキブリのいない所にはおとないさんも存在していない。だから、おとないさんを見たことがなくても、ゴキブリを見たことがあるのなら、その場所には、おとないさんも出現する可能性を秘めているということにもなる。 しかし、いくら対処法がわかった所で、どうしようもないケースも出てくるだろう。私の場合、何故か、そういう経験に事欠かなかったので、ある程度パターンをまとめたものを、書いておくことにする。 其の1)ドアタイプ: 主に、ドアや戸などの長細い隙間に生息する。それらは頭の先から足先までしっかりと見ることが出来る。好奇心旺盛なものになると、足を隙間から出したり、頭を出したりして、周囲をきょろきょろと見る行為にも及ぶ。 あまり長い間眺めていたり、無視している時間が長くなると、およそ半々の確率で消えてしまうか、もしくはおとないさんであることをやめて、性質の悪い何かに変化して、こちらに近づいてくることもあるので、早めにドアを閉めるなり、開けるなりして対処を勧める。 其の2)リングタイプ: 主に奥行きのない輪の仲に棲む。これらは体の一部分が見えるものであり、主に顔や目であることが多い。こいつらはあまり害を及ぼさない。 そのまま放っておいても、姿を変えることもないし、むしろ消えてくれることが主となっている。 それでも気になるようだったら、近づくと消えるという奇妙な特性を持っているので、近づいて消してしまってから、その輪を自分の目の届かない場所に保管することを勧める。 これの唯一頭を悩ませる所は、輪のある所なら、どこにでも出現する可能性があることだ。大きさは大体人の頭ほどのサイズまでの輪で確認されている。例えば握り拳を軽くつくると、手の中に小さな隙間が出来るはずだ。それで、その隙間を放置しておくと、そこに存在が発生することもある。その場合は、何らかの行動をすれば、すぐに消える。ただし、手に発生した場合には、既に自分が近くにいるせいか、見ているだけでは消えてくれない。 だから、輪をなくしてしまうようにすればいい。手を開くとかして。 其の3)点タイプ: これは見える方がどうかしていると思うが、もし万が一見えた時のために書いておく。これは、輪では表現しきれないほどの小さな隙間に体の全身が見えるタイプのものだ。それはどのようにして見えるかというと、誰でも一度は顕微鏡を使った実験をしたことがあるはずだ。その時のように見えると言えばわかってもらえるだろうか。 気にしなければ決して見えることもないが、その気になった点を凝視していると、段々と見えてくる。 それらの表情はこちらを見てにらんでいるか、微笑んでいるかのどちらかである。それらに共通しているのは、手招きしていることだ。あまり深く見入ってしまうと、それらの腕がこちらにすうっと伸びてきて、頭や体を引っ張られる感覚におそわれる。そうなったら迷わず逃げることをお勧めする。そのまま引き込まれたことはないので、どうなるのかわからないのだが、この世界にまだ未練があるのなら、そんなものが見えた瞬間に、点から目を背けることを勧める。そして、その点にガムテープでもいいから貼り付けて、点の形にしておかないようにしてもらえればいい。 と、まあ、ここまでが、そういったものに遭遇した時の対処法ではあるが、一番良いのは、やっぱり見ないことだろう。逆に見えそうだなと思ったときは迷わず眠りにつくことを勧める。目を閉じれば基本的には安全である。 眠ろうとしても、追いかけてくるものもいるが、それは他に機会があったらお話しよう。 眠り猫 wrote. |
未解明の体験談/第八話「すれているモノ」
2007 / 09 / 14 ( Fri ) 第八話「すれているモノ」
私は、よくお風呂に入っているとき、台所で何かがこすれる音をよく聞いている。その音も家族が台所にいない時に限って起きる。 今では、その現象の理由もわかっているから、気にならなくなったが小学生の時はとても怖かったことを覚えている。理由がわかってからは、小学校の時分でも、怖さはなくなったが。とりあえず、そんな話である。 その理由を知ったのは、私が小学校四年生頃のことだった。 それまでも奇妙な音は聞こえていた。布がフローリングの床にこすれる音や、素足で歩くような音がペタッ、ペタッ、というような悠長な音ではなく、ペタペタペタというように凄い勢いで聞こえることがたびたびあった。 最初のうちは、子供心にゴキブリの音か、ネズミでも行進しているのだろうと思っていた。しかし、そんなことを思っていられるのも、そう長くはなかった。 何故なら、そんなものは存在していなかったからだ。そして、音が聞こえる時は必ずと言っていいほど家に私以外誰も家族がいなくて、1人で留守番しているような時で、尚かつ音のする台所から壁越しかドア越しにいる時だけだった。 そんな時に台所に続くドアを開けると音は常にピタっと止んだ。 そして、遂に理由を知る時が来た。その日はよく晴れていて暑かった。 私が学校から帰ってくると、家には鍵がかかっていて、誰もいないようだった。 きっと家族は買い物にでも出かけているのだろうと思って、渋々ながら鍵を取り出して、ドアを開けた。その日は、何度も言うようだが晴れていた。 日が真上にあるような時間だった。それにも関わらず、家の中は真っ暗だった。まるでそこだけ真夜中になっているかの如く、暗かった。 当然、家に鍵がかかっていたので、家には誰もいなかった。一応、「ただいま」と言ってから入ったが、返事は返ってこなかった。 部屋が暗いのは、雨戸でも完全に閉めて出ていったのだろうと思い、窓を見ると、全ての窓に雨戸はかかっていなかった。カーテンもかかっていなかった。それなのに、暗かったのだ。 まあ、そんな奇怪な事態になっている段階で、家族が戻ってくるまで家に入らないというのも後になって考えると有りだったのだが、そのときは学校の帰りだったということもあって、背中にしょっているランドセルを今すぐにでも放り出したかった為、そうっと玄関に入った。 それで、靴を脱ごうとしたとき、台所の方で人の足音が聞こえた。 泥棒かと思って、恐る恐る廊下の先にある台所を玄関から、そっと顔だけ覗かせてつまりは玄関にしゃがみこむ姿勢で台所の床を見た。 そこで見たものは、大変ショックの大きいものだった。 それは人の両手と両足だった。それがペタペタと床をたたいていた。 よくよく見れば見るほど、泥棒ではないことがわかった。その物体は何かを盗ろうとしている動きではなかったからだ。ただ両手と両足で床をペタペタと叩いているだけだった。 それは、人だと思った。髪を長く伸ばして、ぼろぼろの布きれというか着物のような物が見えた。そういう物体が四つん這いで台所の床を円を描くようにぐるぐると這い回っていたのだ。 顔は髪の毛に隠れていて見えなかったため、男なのか女なのかわからなかった。それが這い回るたびにぼろぼろの布きれが床にこすれて衣擦れの音を立てていた。その瞬間に今まで聞いていた音の正体が判明したわけだ。 思わず、「なにあれ」と小さく呟いた。 すると、這い回っていたものは、突然私の方に向きを変えて、こちらに顔を向けた。顔はしっかりと見えなかったが、目だけが赤く光っていた。それは充血したような血走った目であった。 それは、四つん這いのまま、私の方にペタペタペタペタともの凄い勢いで近付いてきた。私は、うわあって悲鳴を上げて、ドアを開け放したまま玄関から転がり出るように、表へと駆けだした。後ろを見ることなんて怖くて出来ず、ただ人が大勢いると思う場所に向かって走った。 ようやく辿り着いたのは近所の公園だった。そこまで走ってようやく落ち着いて、立ち止まり、深呼吸して辺りを見回すと、友達が遊んでいるのが目に入ってきた。 友達に一緒に遊ばない?って誘われたが、ここに来てようやく、家のドアを開け放したまま出てきたことに気が付いて、その誘いを断って、家に戻った。 それで、家の近くまで来てぴたりと足を止めた。さっきの奴がいるのを見るのは嫌だなあって思いながら、目を瞑ったまま家に入った。それで、音が聞こえないように大きな声で歌を歌いながら、昼間だというのに部屋の全ての灯りを点けて回り、それからゆっくりと目を開けた。 辺りを見ると先程あったことが嘘のように静まりかえっており、台所に行っても人の足跡やら手形など何もなかった。それでも安心は出来なかった為、いつあれが戻ってくるか、わからなかったから、その日は親が帰ってくるまでずっと玄関に座って靴を履いて待機していた。 それから夕方になってから親は帰ってきて、悲鳴をあげた。何故なら、玄関に座り込んでドアを凝視する私がいたのだから。 そりゃあ、ドアを開けた瞬間に目の前に人が座り込んでいたら驚くのは仕方ない。だけど、それが人でなかったら、もっと驚くことになる。 そして、その日の昼にあったことを親に話したが、勿論相手にされなかった。 そのことがあってからしばらくの間は、私がお風呂に入って、出るまでの間、親に台所にいてくれるようにお願いした。段々と慣れてきた頃には、見えたとしても気にしなくなり、音が聞こえて気にしたくないときは、上でも向いて天井でも見ながら台所を抜けることにしている。 そして、未だにわからないのは、何故いつまでも同じ場所を這い回っているのかということである。今も昼夜問わず、人気がなくなると、あれは這い回っているのだろう。 目を血走らせ、何かを探すために・・・。 眠り猫 wrote. |
未解明の体験談/第七話「のぞきみるモノ」
2007 / 09 / 14 ( Fri ) 第七話「のぞきみるモノ」
中学校の頃、家族と友人で旅行に出かけた時の話。 その旅行は1泊2日で、10人ほどで楽に泊まれるコテージを借りた。それなりに山の奥の方で静かな所だった。 そこで、昼間はテニスをしたり、夜にはバーベキューなどをしていた。 バーベキュー後には、花火もする予定だったのだが、親が疲れて眠ってしまったので、それは無しということになった。 その後は、各人自由に行動ってことで、夜も遅いのでコテージ内で騒ぐかに思いきや、友人は勝手にノートPCを開いて、ゲームを始める。弟は弟でわざわざ家からゲームの機械とソフトを持ってきて、テレビを占領してゲームを始める。私は、特にすることもなく、ノートとペンを取り出して、お話を書き始める。 そんなこんなで、夜も更けていき、時計を見ると、既に11時を過ぎていた。そろそろ寝るようにと、全員に言って、寝室に向かわせたとき、何故か、寝室に入りたくないという気持ちに襲われた。その寝室に入ると、何かに見つめられているような圧迫感に襲われたのだ。 だが、慣れない所で寝ることで感じる違和感に過ぎないと自分に言い聞かせて、寝間着に着替えた。 ふと部屋の窓から見える景色を見ると、そこは真っ暗闇が広がるだけで何も見えなかった。カーテンを閉めて、ベッドに潜り込んで、部屋の灯りを消した。 朝になり、朝日がカーテンの隙間から射し込んで、目を覚ました私は、枕元の時計を見て、まだ朝の5時であることがわかり、カーテンをしっかりと閉め直して、もう一度寝ようと思い、立ち上がり、カーテンに手を掛けた。その時、カーテンの隙間から外の景色が少しだけ見えた。 その景色は木々が生えているわけでもなく、草があるわけでもなく、一つの顔が見えた。別に窓ガラスに反射した私の顔というわけではなかった。窓の向こうに見える木々の間から、見知らぬ男が顔をのぞかせているのだ。 カーテンの小さな隙間から見えているだけで、こちらが、外を見ていることなど外からは、そうそうわかるはずもないのに、何故か、その男は私に目を合わせてにらみつけていた。私は、ただ相手のことを見つめ返して、じっとしていた。 しばらくして、私はあることに気が付いた。その男の顔は、はっきりと見えるのに他の部分がよく見えなかった。胴は多少見えるものの、手や足は全く見えなかった。まるで、頭と胴だけで宙に浮かんでいるようにも見えた。 それが一体どういう存在であるのかは、すぐにわかったが、私の身体はそのとき動かなかった。視線を反らすことも何も出来ずに立ちつくしていた。 すると、後ろから声がかかった。「まだ早いんだから、カーテン閉めてよ」 友人に声をかけられた瞬間、身体の自由が戻り、すぐにカーテンをしっかりと閉めて、もう一度ベッドに潜り込んだ。 友人に声をかけられてカーテンを閉める時には、男の姿も消えて、見られている感じも消えていた。 そして、私はその後に男の姿を見ることもなく、家路についた。 後になって友人にあのときのことを聞くと、ただ単に私がカーテンに手をかけたまま呆けたように外を見つめているから、何かいるのかと思って後ろからのぞいたが、普通に景色が広がるだけで、男などどこにもいなかったということだった。 今でも、あの男の正体はわからないが、ただ、見える私に対して、何となく何かを伝えたかったのか、それとも存在を示したかっただけなのか、何もわからず終いである。 眠り猫 wrote. |
未解明の体験談/第六話「行ったり来たりするモノ」
2007 / 09 / 14 ( Fri ) 第六話「行ったり来たりするモノ」
あの出来事は、中学校3年生の頃のことだったと思う。その頃は受験勉強のただ中にあった。しかし、私にとってはどうでもいいことだった。だから、勉強もしないで遊んでいるだけだった。それでも、きちんと高校にも行けたようだし、就職も出来ている。だから、勉強なんて今となってはどうだってっていうか、まあ、それこそ、どうだっていいかな。 まあ、とりあえず、その冬の夜のこと。 その日は普段よりも更に寒い日だった。あまりにも寒かったため、すぐに布団を敷いて一日中布団をかぶって過ごしていた。寒さのせいか、なかなか、その日は眠りにつけずにいた。 10時、11時、12時と刻々と時計は時を刻んでいた。 日付が変わる頃、ようやく睡魔が襲ってきて眠りにつけると思ったとき、妙な物音がしていることに気が付いた。時計の秒針がこちこちと動く音が聞こえるほどに、辺りは静寂に包まれていた。 その時計の音以外に何かの音が混じっていたのだ。 それは誰かが静かに階段を登ってくる音だった。てっきり、弟が目を覚まして下に下りていって、戻ってくる音だと思って、弟の布団を見ると、驚いたことに弟はスヤスヤと寝息を立てていた。では、この登ってくる音は一体誰が。もしかすると、親が何かを取りに来ているのかもしれないと、強引に現実的な方向に考えを持っていこうとしたが、それも簡単に覆されることになった。 その登ってくる音は階段の一番上まで上がるとピタっと止まって、私は部屋に何者かが侵入してくるのかとドキドキしながら布団の中で息を潜めていた。しかし、部屋に入ってくるような音は一切しなかった。 再び聞こえてきた音は奇妙な音だった。なんと、また階段を登ってくる音が聞こえてきたのだ。その音を聞いた段階で、これが普通の現象ではないということを直感した。 通常であったら、階段を登ったら下りなくてはいけないはずだ。下りてからでなければ登ることも出来ない。しかし、この聞こえてくる音は登った音だけで、また何度も何度も登ってくるのだ。まるで無限に伸びる階段を延々と登り続けている、そんな感じの音だった。 ちなみに家の階段は登りと下りの音では全くの違いが出るので、聞き間違えるということはあり得ない。家の階段は収納式のはしごのような作りなので、登りよりも下りの方が激しい音を立てるようになっている。 とにかく、延々と登り続ける音は途絶えることがなかった。私は音を気にしないようにしようと、時計の秒針の音のみに集中して時計の針をじっと見つめていることにした。 そんなことをしても、登る音を無視することなど出来なかった。階段を登る音が聞こえ始めてから、優に30分が経過しようとしていた時、突然、ぴたと音が静まった。 辺りは再び、時計の秒針だけの音になった。そのときになって、ようやく緊張の糸がほどけ、リラックスした瞬間に私の意識も落ちた。翌朝になって、弟に変な音が昨夜に聞こえなかったか尋ねたが「寝ていたから聞こえなかった」と言われ、勿論のこと、親にも相手にされなかった。 それから数日間は日付が変わる時間帯になると、登る音が聞こえていた。やがて聞こえることがなくなった。そのこともまた、聞こえなくなったからいなくなったのではなく、単に気にならなくなっただけで、聞こえないだけなのか、それはわからないことである。 結局、あの時聞こえた音の正体は今もって謎のまま。 眠り猫 wrote. |
未解明の体験談/第五話「解放されたモノ」
2007 / 09 / 14 ( Fri ) 第五話「解放されたモノ」
これは、私が高校生の頃に体験したことだ。 その頃は、弟が中学校に通い始めたばかりで、弟は毎日不機嫌だった。新しい学校に不慣れで友達も新しく作れずにイライラしていたのだと思う。 とにかく、その頃は、やたらと八つ当たりを受けていたような気もする。私が楽しくゲームをしていると、弟がふらーっとこちらに近付いてきて「つまらない」と一言発したかと思うと、いきなりゲーム機械の電源を落としたり、またあるときは、本を夜読んでいる時も同じように「つまらない」と言って、電気を消してきたり。 要は、弟からしてみたら、自分がこんなに苦しんでいる傍で、一緒に暮らしていて、同じ時間を過ごしている人が楽しそうにしているのが、目に付いてむかついていたのだとは思う。 仮に私がそこで、弟のやってくる仕打ちに腹を立てて同じような仕打ちを弟に対して、やってのけたら、弟はさも自分だけが被害者のような顔をして親に事細かに話すことなど火を見るよりも明らかだったため、敢えて何もしなかった。そして、逆に私が事細かに弟の仕打ちを親に説明したところでせいぜい、少しは我慢しなさい、年上なんだからだとか言われて終わりというのが過去からの経験上わかりきっていたことだったので、それも敢えてしなかった。 私の取った行動は、たった一つだけ。弟のことを怒りもせず、可哀相な坊やだねと見つめてあげるだけにした。 そんな態度で毎日接しているうちに、弟は、私に対してちょっかいも出さなくなった。ただただ毎日、「つまらない」「つまらない」と、ぶつぶつ言って時間を潰すようになった。 そうすることにも飽きたのか、突然、弟が暴れ始めた。一見するとキレたようにしか見えなかったであろう。その行動で、家の壁に所々傷が付き、一カ所だけ壁に拳大の穴が出来た。でも、その時はああ、暴れているなあ、って程度で見ているだけだった。 この時はまだ切れてもいなかっただろうし、切れているとも思っていなかった。 そう、弟がキレたと思ったのはある夜の出来事があったからだった。 その夜、弟はいつもよりも静かに眠りについた。 普段なら「つまらない」と言いながら手足をばたつかせてから寝るというのに、そういうこともしないで、普通に眠ってしまった。てっきり昼間疲れたから、静かに寝たのかと思い、私自身もすぐに眠りについた。 それから夜中になり、突如妙な感覚に襲われ、目を覚ました。 ふと周りを見回して弟の方を見ると、弟はぐっすりと眠っていた。気のせいだなあっと思って、もう一度寝ようとすると、弟の掛け布団が急に浮き上がった。どうやら弟が足で蹴り上げたらしい。それはいつものことだったから気にしないでいたのだが、その後に異常なことが起きた。 なんと弟の上半身だけが起き上がったのだ。その起きあがり方が変だったのだ。 何というか、お腹を曲げず、首も曲げず、ゆっくりと起き上がった。まるで水平になっていた板が垂直に立つような光景だった。 そして首を後ろの方に向けて、つまりは私が寝ている方向を向いたわけで。別に某映画のように首が回転したわけではない。人の首が回る許容範囲内で動いていた。 目は白目を剥いて、目がしっかりと見開かれていた。 はっきり言って、かなり怖かった。いっそのこと、起きている時に、「あんたの態度むかつくんだよ」とか怒鳴られた方がマシだった。 とにかく、はっきりと感じられたことは、この私の目の前にいる弟は、弟ではなく何か別のモノであることだけは感じていた。 しかし、何の対策も出来ないまま、時間だけが過ぎていった。時間にすれば、大した時間ではなかったかもしれないが数秒が数分にも感じられた。弟の形をしたものは、私のことを見たまま、動く様子はなかった。 しかし突然口が開いて、息が漏れる音が聞こえ始めた。 初めは声になっていなかったが、段々と何かが聞こえてきた。 しかし、全く聞こえなかったのだ。正確に表現するのなら、その音が声なのか歌なのか、何なのか判断出来なかったのだ。息継ぎの様子もなく、音が途絶えることもなかった。どこかで止まるなり、何らかのリズムがあれば、どこか他国の言語か何かだとも思えたが、音はただ弟の口から流れ続けるだけだった。 段々と一種の呪文か何かなのではないかと思え始めたとき、言うことが出尽くしたのか、急に音が止まった。そして、弟の口が閉じて、首も元の真正面を向いて、また元のように布団に倒れていった。倒れるときも起き上がったときと同じように板のようにまっすぐに倒れていった。 そのあと寝息が規則正しく聞こえてきた。ようやく終わったと思い、私も眠りに就いた。 次の日の朝、弟に昨夜のことを何か覚えていないかと尋ねたが、「ぐっすりと眠っていたから覚えていない」と答えが返ってきた。別に夢のことを聞いたわけではなかったのだが、そのことを深く追求はしなかった。 その出来事があった後から弟の機嫌は急に良くなって、学校にも楽しく通えるようになったようだった。そして、口癖のように言っていた「つまらない」という言葉も滅多に言わなくなった。 あのことは何だったのかと考えると、私には二つの仮説が浮かんでいた。 まず一つ目が弟の溜まったストレスが弟の無意識の時に現れ、発散するためにあのような行為をしたのか。 それともう一つ、何者かに取り憑かれて弟の機嫌が悪くて、周りに当たり散らしていたのか、そのどちらかだと思う。 ちなみに、その後はそういったことに遭遇していない。まあ、もしかすると気付かないだけであって、私もしくは近しい他人も、誰も見ていない夜に、そういうことをしているのかもしれない。それは誰にもわからないことである。 後味の悪い体験であったことも一つの事実。 眠り猫 wrote. |
未解明の体験談/第四話「トイレットホルダーの怪」
2007 / 09 / 14 ( Fri ) 第四話「トイレットホルダーの怪」
突然だけど、トイレに入って用を足した後、あなたは必ず、トイレットホルダー、いわゆるトイレットペーパーに手をかけるはずだ。その時に紙が切れていたらもの凄くショックだと思う。ウォッシュレットだったら救いもあるだろうが、普通の何もない所だったら、どうしようと考え、悩むはずだ。 まあ、そういう状況も非常に厳しくショックはあるだろうが、今回のお話はそういった側面ではなく、少しだけ変わった側面の話である。 あらかじめ注意しておくが、この話はトイレにまつわる話なので、トイレ、トイレと 連呼するが、その辺りはご容赦いただきたい。 とりあえず話を進めると トイレは通常、夏は暑く、冬は寒いものだ。家のトイレは冷暖房完備だから大丈夫、何て言う家もあるかもしれないが、それはこの際置いておこう。 夏のトイレは地獄だと思う。四方を壁に囲まれて、その密閉された空間は、臭くて蒸し暑いという最悪の環境だ。そういった環境の中では普通の人ならイライラするものだ。そんな劣悪な環境の中で私は奇妙な体験をした。 これは、私が小学校5,6年生頃のことだったと思う。やっぱり夏休みの頃だったと思う。午前中トイレに入っている時のことだった。当然の如く、その日も最高気温が30℃を越すような真夏日だった。そんな中では、汗がだらだらと流れ落ち、暑さと匂いで呼吸もつらくなり、今すぐにでもトイレを出たいという、そんな気持ちでいるときのことであった。 事が起きたとき、私の頭の中は暑い、暑いという、それだけのことで覆い尽くされていた。 ようやくトイレを出ることが出来ると思い、トイレットホルダーに手をかけようとした瞬間、目を点にして驚いてしまった。 きちんと紙はあったのだが、トイレットホルダーの丁度真上の部分に、黒っぽいシミが浮かんでいた。壁の本来の色は黄色っぽいのだが、その部分だけ何故か黒かった。 トイレットペーパーを取ることも忘れて、その黒いシミを凝視していると、シミに変化が起きた。シミは段々と形を変えて、色を所々変化させて、何かの形になった。 ようやく変化が終わった時、それの正体が何なのかわかった。 それは人間の女性の顔だった。その顔は凄く印象が強く、今でもはっきりと覚えている。何故なら、今でも時々見るからなのだが。 その顔は半分崩れていて、血で濡れた顔だった。髪の毛は肩にかかる程度だった。そんな顔が私の方にぐっと近付いてきて、にらみつけてきた。 しかし、その時の私にとっては怖がっている余裕もなかった。何故なら暑さで意識が朦朧としていたからだ。 一刻も早く、この場所から脱出したかった。 そう、このトイレという空間から。 だから、その顔が邪魔だったから、出てきた女の顔に手の平を当てて、壁に戻るように押し込む動作をした。 手に顔が当たった感触はなかったが、顔は壁に引っ込んでいった。その後はトイレットペーパーを出して、さっさと処理を済ませた。その作業を行っている最中にも顔が出てきて私の邪魔をするものだから、片手で顔が出てくる壁を叩きつつ、ペーパーを出していたのであった。 それで、トイレから出ると、親にトイレで暴れないの、とか怒られたから、2年やら前に言われた言葉をふと思い出して、そのまま言い返した。 そう、「暑いから、そういうこともあるんじゃないの」親は、何を言っているのか、わからないって顔をして、「とにかく、トイレでは暴れないの」と言うだけだった。 トイレが暴れてくる場合、トイレに言って欲しいと思ったが、それを言った所で状況が進展するわけでもないため、口にはしなかった。 それからも、たびたびトイレに入る時に、その顔が出現するため、壁を叩くと怒られるので、壁に当たる寸前で手を止めて出現するモノを防いでいた。 まあ、今となっては、そんなものが出現しても、いくら、こちらに顔を近付けてきても気にもならなくなっているので、どうでもいいことではある。 つまりは、時々変化する背景の一部、そういう風に割り切っているというわけである。 眠り猫 wrote. |










































































