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未解明の体験談/第六話「行ったり来たりするモノ」
2007 / 09 / 14 ( Fri )
第六話「行ったり来たりするモノ」

あの出来事は、中学校3年生の頃のことだったと思う。その頃は受験勉強のただ中にあった。しかし、私にとってはどうでもいいことだった。だから、勉強もしないで遊んでいるだけだった。それでも、きちんと高校にも行けたようだし、就職も出来ている。だから、勉強なんて今となってはどうだってっていうか、まあ、それこそ、どうだっていいかな。

まあ、とりあえず、その冬の夜のこと。
その日は普段よりも更に寒い日だった。あまりにも寒かったため、すぐに布団を敷いて一日中布団をかぶって過ごしていた。寒さのせいか、なかなか、その日は眠りにつけずにいた。
10時、11時、12時と刻々と時計は時を刻んでいた。
日付が変わる頃、ようやく睡魔が襲ってきて眠りにつけると思ったとき、妙な物音がしていることに気が付いた。時計の秒針がこちこちと動く音が聞こえるほどに、辺りは静寂に包まれていた。
その時計の音以外に何かの音が混じっていたのだ。

それは誰かが静かに階段を登ってくる音だった。てっきり、弟が目を覚まして下に下りていって、戻ってくる音だと思って、弟の布団を見ると、驚いたことに弟はスヤスヤと寝息を立てていた。では、この登ってくる音は一体誰が。もしかすると、親が何かを取りに来ているのかもしれないと、強引に現実的な方向に考えを持っていこうとしたが、それも簡単に覆されることになった。
その登ってくる音は階段の一番上まで上がるとピタっと止まって、私は部屋に何者かが侵入してくるのかとドキドキしながら布団の中で息を潜めていた。しかし、部屋に入ってくるような音は一切しなかった。

再び聞こえてきた音は奇妙な音だった。なんと、また階段を登ってくる音が聞こえてきたのだ。その音を聞いた段階で、これが普通の現象ではないということを直感した。
通常であったら、階段を登ったら下りなくてはいけないはずだ。下りてからでなければ登ることも出来ない。しかし、この聞こえてくる音は登った音だけで、また何度も何度も登ってくるのだ。まるで無限に伸びる階段を延々と登り続けている、そんな感じの音だった。
ちなみに家の階段は登りと下りの音では全くの違いが出るので、聞き間違えるということはあり得ない。家の階段は収納式のはしごのような作りなので、登りよりも下りの方が激しい音を立てるようになっている。

とにかく、延々と登り続ける音は途絶えることがなかった。私は音を気にしないようにしようと、時計の秒針の音のみに集中して時計の針をじっと見つめていることにした。
そんなことをしても、登る音を無視することなど出来なかった。階段を登る音が聞こえ始めてから、優に30分が経過しようとしていた時、突然、ぴたと音が静まった。
辺りは再び、時計の秒針だけの音になった。そのときになって、ようやく緊張の糸がほどけ、リラックスした瞬間に私の意識も落ちた。翌朝になって、弟に変な音が昨夜に聞こえなかったか尋ねたが「寝ていたから聞こえなかった」と言われ、勿論のこと、親にも相手にされなかった。

それから数日間は日付が変わる時間帯になると、登る音が聞こえていた。やがて聞こえることがなくなった。そのこともまた、聞こえなくなったからいなくなったのではなく、単に気にならなくなっただけで、聞こえないだけなのか、それはわからないことである。
結局、あの時聞こえた音の正体は今もって謎のまま。

眠り猫 wrote.
16:46:07 | 未解明の体験談 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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